元旦の朝、山から下りてきたが、そのまま力尽きてしまったのだろう。
苑の片隅で息絶えたおサルさんを発見した。
上には子ザルが乗っている。
おサルさん達は、「死」というものがわからないのであろう。
通りすがりの仲間のサルも、動かぬこの母を普通に毛づくろいをしては
しばらくしてその場を去って行く。
子ザルは、何度も甘えるような声で呼びかけ、眠りから起こすように揺さぶってみる。
しかし、優しい温もりの消えた母に反応はない。
空腹になった子ザルが母から離れ餌場へと移動した。
その間に苑の人が母ザルの亡骸を袋に収めた。
子ザルは、そんな事も知らず、撒かれた小麦を小さな手で拾っている。
すでに離乳時期なので、苑に通っている限り飢える事はないだろう
しかし、母が居ないのに山へ帰れるのか?
誰がこの子を山へ連れて帰るのか?
心配ではあったが、自分に出来る事な何も無い。
翌日も子ザルが元気である事を願って伊浜の宿へ帰った。
2012年1月1日 波勝崎苑
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