2010年6月8日火曜日

キョンちゃん

このおサルさんは「キョンちゃん」
怪我の後遺症で、右手を地面に着けません。
 
去年の、まだ残暑がきびしい日でした。
両腕からたくさんの血を流したおサルさんを見かけました。
どうやら他のおサルさんに噛まれたようです。
見るからに、深い傷…
ちゃんと消毒しないと、この暑さの中
化膿したら大変なことになってしまうな…
でも、治療したくても近づくと、キョンちゃんは怯えて逃げるだけ
餌付けはされていても、野生のおサルさん
一生懸命に傷を舐める様子を、少し離れたところから
見守ることしかできませんでした。

両手が使えないので、直接地面に口をつけて
食べ物を拾うキョンちゃんが、ふびんでなりませんでした。
苑に行く度、キョンちゃんを探しては
名前を呼びました。
そして、他のおサルさんに気づかれないよう
口元に食べ物を差し出しました。
たくさん食べさせてあげたいのに
すぐにサルレーダー(←食い意地ともいう)で
他のおサルさんが来るので、キョンちゃんは逃げます。
苑の人は、腕を前にたらして、二本足で歩く姿を
キョンシーみたいだなぁと言ってました。
それで名前が「キョンちゃん」です。
傷が治った今でも、いつも他のおサルさんに威嚇され
追いかけられ、噛み付かれ…
お客さんが食べ物をくれる建物の前に行けるわけもなく
みんなが食べ残したものを、ひっそり食べてます。
なんだか、いつも悲しそうな表情なキョンちゃん
キョンちゃん、おばちゃんまた会いに行くよ!

2010年4月18日 波勝崎苑

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